競馬用語辞典

ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行

ア行
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あおる
ゲートが開いた瞬間に前肢をあげた状態でスタートすること。後手を踏むわけで、不利になる。
あがり 上がり レースや調教では、最初を「テン」、中盤を「なか」、終盤を「しまい」または「上がり」という。「上がり3ハロン」といえばゴールから逆算して600メートルのこと。
あしぬき 足抜き 馬場状態を表す言葉で、良い、悪いと合わせて使う。
芝の道悪やダートにおいて足を取られ思うように走れないとき「足抜きがが悪い」と言い、
同じように見た目悪い馬場でも走りやすい状態のとき「足抜きが良い」というように使う。
あせとり 汗取り 馬と人間の両方に使われる言葉。
馬の場合は馬体が重く、背肉、腰部、頸の脂肪が取り切れぬようなとき、鞍下に毛布、カッパ、ビニールなど風通しの良くないものをかけて、引き運動、追い運動などをして、発汗をうながし、汗と一緒に余計な脂肪をとる。
人間の場合は体重の重い騎手が体重の調節(減量)を図るために行うもので、蒸し風呂に長時間入浴したり、カッパを着てランニングをしたりして発汗によって体重の調節をする。
あとけんりょう 後検量 レース後騎手が決められた斤量で騎乗していたかどうかを調べること。
7着までの騎手と、裁決委員から指定された騎手は所定の場所で脱鞍(他人の手を借りずに騎手自身で行う)し、後検量を受けることになっている。
その後検量の目方が前検量に比べ0.4キロ以上増減のあったときには裁決委員に報告され、その差が大きいときなど失格となることもある。
あな 人気のない馬が勝ったり、2着にきて好配当になったとき、「穴が出た」という。
この穴を出した馬を穴馬というが、人気馬を負かす可能性のある馬を穴馬といっている。
あなば 穴場 馬券を売る窓口のこと。
昔は握りこぶしがぎりぎり入るように板を円形に切り抜いた穴だったことからその名がついた。
その後半円形に変わり、現在は形に関係なく穴場というが馬券売り場という人が多くなっている。
あぶみ 騎手が足をのせる道具。
鞍の付属具で鞍からあぶみ革によって吊るされているもので、騎手が自分の体を安定させたり、手綱や鞍を自由に使うために足先に力を掛けるために必要なもの。
あらあら
「3角でもうあらあらだった」などと騎手がレース後の話の中で使ったりすることからもわかるように、手応えが怪しくなり余力のなくなった状態のこと。
あんこ
見習い騎手の俗称で「あんちゃん」と呼ばれることもあり同じ意味で「あの厩舎のあんちゃんは乗れる」などと使われている。
また、騎手になる前の騎手候補生のことを同じように言うこともある。
いれこむ 焦れ込む レース前に極度に興奮し、落ち着かない様子。ひどく発汗したり口から泡を出したりする。かなり体力を消耗するので、レースでは能力を出し切れない場合が多い。
うまなり 馬なり レースや調教で、追わない(鞭を使ったり手綱をしごいたりしない)で、馬の走る気にまかせること。「持ったままともいい、基本的には余力を十分残している状態。
おう 追う 馬に全能力を出させるため、騎手が鞭を入れたり、手綱を一杯にしごくこと。
おりあい 折り合い 騎手と馬の呼吸の調和状態。うまくいっている時は「折り合いがつく」という。ちぐはぐな状態の時は「折り合いを欠く」という。

カ行
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かいば 飼葉 馬(競走馬)の食糧のことで、主に燕麦のことだが、青草、乾草、にんじんなど添加物を含めて「カイバ」といっている。
かえしうま 返し馬 レースの始まる前にパドックから馬場にでてきた馬が発走までの10〜20分ぐらいの時間に軽いウォーミングアップを行う。このことを「返し馬」というがダクからキャンターに移るときの脚捌きや、動きで状態の良し悪しを見極めている人もいるが馬によって返し馬の強弱は異なり気性の激しい馬などはほとんど返し馬をせずに、馬場の隅ででじっと発走を待ち、落ち着かせることに専念している馬もいる。このように返し馬で速く駆けていれば好調と決めつけられず、気合のない馬などに競走意識を持たせるための準備運動と考えたい。
ガサ
馬格のことで{ガサがある(ない)」という使われ方をしている。当然大きな馬のことをガサがあると言うわけで、嵩(かさ)という言葉がなまったのかも知れない。また、ガタイという言葉と同じ意味で使っているが、厩舎独特の言い方である。
かしふく 貸服 日本中央競馬会が一時的に貸す勝負服のこと。色は帽色(枠番)と同じ色が基調となっている。
かすげ 粕毛 一般に暗灰色であるが白い刺し毛が混じっている毛色のこと。つまり、頭部、四肢の下部および長毛(たてがみなど)は原毛色であるが、その他の部分に白色毛が混じっているものである。原毛色の違いによって栗粕毛、鹿粕毛、青粕毛などと区別されている。
かたいきん 過怠金 騎手、調教師、馬主、厩務員などが競馬施行規定に違反した場合に徴収される制裁金で金額は違反行為の程度や事情によって異なり、最高10万円までとなっている。
かたくち 硬口 騎乗者の意志を馬に伝えるひとつがハミだが、そのハミの操縦に抵抗したり、ハミを通して伝える騎乗者の命令に従順でない馬を硬口という。「口の硬い馬」、「ハミがかりの悪い馬」と言うのも同じで、調教やレースで騎乗者の意に反して頭を上げたり、引っかかったりする馬のこと。
カベ
レース後の騎手の話の中に「直線入り口でカベになって・・・」などと使われるように、自分の進路の前に馬が並んでいるため出て行くコースのない時にカベになると言っている。脚を余して負けたときなどによく使われる言葉。
からうま カラ馬 レース中に騎手が落馬して、騎手を乗せずに走っている馬のこと。
かりさく 仮柵 芝コースにおいて芝の保護のために設けられる柵のことで、内ラチから5メートルとか10メートルとか一定の距離におかれる。
ガレる
馬体が細くなったり、毛艶がさえなかったりして元気のない状態のこと。
かわりみ 変わり身 休養明けやレース間隔を開けた後一度レースを使ったことによって、状態がはっきり良くなり次のレースで好走した(レースぶりが変わる)ときに「変わり身を見せた」という。
かんい 管囲 体高、胸囲とともに、馬の大きさ(馬格)を測る基準のひとつで、前脚の膝と球節の中間の周囲のこと。平均18〜20センチが普通。測尺の際は通常左前脚を測る。
がんこう 雁行 先行馬が先を争って数頭並んで走っているようなときに「雁行している」という。
カンカン
負担重量のこと。負担重量とは帽子、鞭を除いて騎手をはじめ馬の装具など競走馬の上に乗るほとんどの目方のこと。
カンパイ
スタートのやり直しのこと。外人スターターが発走やり直しの時「カムバック」と言ったのを聞き間違えてカンバイ、それが転じてカンパイになったと言われている。
かんよきんし 関与禁止 競馬施行規程第120条に規定されている馬主、調教師、騎手、調教助手、騎手候補生、厩務員に対する処罰の一種。この処分を受けると、一切競馬に関係できなくなる。
きざ 騎坐 騎手が馬上で正しくバランスを維持するために両膝で締め付けるように乗っている。この膝のことを騎坐と言う。鐙に頼らず騎坐だけで乗れるようになれば達者な騎手といえる。
きそひんば 基礎牝馬 同じ牝系に属する馬のグループを「ファミリー」と呼ぶが、多くの優れた馬を送り出したファミリーの基礎ともいうべき役割を果たした馬を基礎牝馬という。
きはた 黄旗 時計旗といわれるもので、ゲートの5メートル前にあるスタートラインの内側にこの黄旗を持った係員がいる。発馬後先頭馬の通過と同時に旗は振りおろされ、それを見た計測係がストップウオッチを押してそのレースのタイムが計測される。
きゃくしつ 脚質 レースでの走り方。大きく分けて馬群の先頭を走る「逃げ」、先頭から3〜4番手に位置取る「先行」、中団からスパートのタイミングをうかがう「差し」、後方に位置取って直線勝負にかける「追い込み」の4種類がある。また、これらのすべてをこなせる脚質を「自在」ともいう。
キャンター・ギャロップ
ともに駆歩のことだが、緩い駆歩をキャンターといい、襲歩または競争駆歩と呼ばれる速い駆歩をギャロップと呼んでいる。
きゅうむいん 厩務員 厩舎で馬の世話をする人。トレーニングセンター場長の承認の上で、調教師との間に雇用契約を結んでいる。原則として1人あたり2頭の持ち馬の一切の面倒をみている。現在、厩務員になるには、競馬学校の厩務課程(6カ月)を終了した上で、厩務員試験に合格しなければならない。
くちとり 口取り 優勝の記念撮影時に、はみと騎手の手綱をつなぐリング状の金具に、もう一つ別の綱をつけて馬の口を取ること。また、ゲート内に誘導したり、暴れそうにな馬を抑えたりする時も口を取るので、そのことを口取りということもある。
クラシック
牡馬・牝馬による皐月賞、日本ダービー、菊花賞と、牝馬だけによる桜花賞、オークスの5レースの総称。これらはいずれも古い伝統をもつ4歳馬だけの競走で、イギリスのレース体系にならって創設された。すべての馬にとって一生に一度しか出走できないことからも、重みのあるレースといえる。
けいしゅ 軽種 馬の分類で軽種といわれるのは、軽快で競走馬や乗馬に適したもので、サラブレッド、アラブ、アングロアラブ、サラブレッド系種、アラブ系種の5種類。
けいじんたいえん 繋靱帯炎 屈腱炎などと同じで競走馬にとって負担のかかる前肢に起こりやすい疾病。俗に「ナカスジ」と言われるもので、なかなか治りづらく、肥厚したりして競走馬としてだめになることもある。
けいは 鶏跛 「とりあし」といわれるもので、鶏の歩くときによく似た歩様。後肢が地面をはなれるとき、けいれん状に急激に飛節をあげる状態。並足(普通に歩いてとき)で顕著にあらわれ、見た目はビッコのようだが競争能力に全く関係ないので、気にすることはない。
コズミ
筋肉痛や筋炎のこと。「コズんでいる」というのは、動きがスムーズでなく歩行がぎこちない状態。
こば 古馬 一般には3、4歳馬に対し5歳以上の馬のことをいう。「ふるうま」ともいう。

サ行
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さいきじょう 再騎乗 ”落馬再騎乗”とも言い、レース中に落馬して競走を中断した騎手が、再度馬に乗って競走を続行すること。97年11月の福島競馬でありましたねぇー。
サイドレーン
頭の高い馬を矯正するために道具。単純な革ひもで、ハミ環と腹帯をつなぐようにして使う。
ささばり 笹針 治療に使う「三稜針」の形が笹の葉に似ていることから「笹針」と名づけられている。急性の筋肉疲労(こずみ)でうっ血している部分に施し、刺激によって新陳代謝をうながす。
ささる
調教またはレース中に馬が内へ斜行することを言う。脚いろがいっぱいとなって苦しくてささる場合と、馬自身の気性や癖でささる場合があり、後者の場合は左回りでささる馬は右回りになると「よれる(外に斜行する)」ことが多い。
さしあう 差し合う 一人の騎手の乗る馬が同じレースに2頭以上予定される場合に差し合うと言う。
ざせき 挫せき 蹄底に起きる炎症(内出血)のことで、走っているときに後肢の蹄の先端を前肢の蹄底にぶつけたり、あるいは石などの硬いものを踏んだときに発症する。
さつしょぶん 殺処分 安楽死と言われているもので、競走馬が病気で倒れたり、脚を折って再起不能と診断されたときに殺処分することがある。
さんかんば 三冠馬 皐月賞、日本ダービー、菊花賞の3レースを制覇した馬を三冠馬と呼ぶ。平成9年までセントライト、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアンと計5頭がその偉業を成し遂げている。
シャドーロール
羊の毛でつくられた太いモールの装具。レース中の自分の脚もと(脚の動き、物の影、芝の切れ目など)を気にするのを防ぐため、これを馬の鼻の上につけ脚もとを見えないようにして、レースに集中させるためのもの。
しゅぼば 種牡馬 父馬のことで、より速く、より強い馬をつくり出すために競走成績の良い馬、血統の良い馬が選ばれる。
すえあし 末脚 ゴール前での馬の伸び脚のこと。ゴール前で鋭く伸びる馬を「末脚の切れる馬」、逆にゴール前での伸びに欠ける馬を「末脚の甘い馬」という。
せいさんぼくじょう 生産牧場 競走馬を生産、育成して、その馬を売却することを目的にしている牧場。
単に牧場ということのほうが多いが育成だけを行っている「育成牧場」と区別するために生産牧場といっている。
せったる
凹背のこと。背中の線がたるんでいることで、前後駆のバランスが悪い馬が多い。
せめうま 攻め馬 一般に言われている調教のこと。馴らすこと以外に走る能力を引き出すこと、走る能力を出しきれる状態に持っていくことなどを含んでいる。
せる 競る 競り合うともいうが2頭以上の馬が並んでお互いに前へ前へと1歩でも先に行こうと争いながら進む状態をいう。レース中に競り合うと余分な力を使うことにもなり、末脚をなくすことも多い。
せわれ 背割れ 競走馬は馬体を絞りスマートな形に仕上げて行くわけだがまだ絞りきれなくて背中にムダ肉がついている状態をいう。「まだ背割れしているので・・・・」などと仕上がり途上の馬に使われる。
ぜんじつおい 前日追い 競走日の2〜4日前ぐらいに追いきられた馬が競走日の前日に最終の調整を目的に軽く(場合によっては強めに)追うこと。
せんつう 疝痛

疝痛とは馬の腹痛のことで、急性胃拡張(過食疝)、急性腸カタル、風気疝(ガス腹)、便秘疝、腸捻転などの総称をいう。
せんば セン馬 去勢された馬のこと。競走能力は認められるのに気性が悪く、反抗的で成績が上がらない牡馬(ぼば/オス馬)は、去勢すると性質も従順になり成績が上がることがある。
せんもう 旋毛 馬の「つむじ」のこと。馬の被毛は直立して生えないで皮膚面対し傾斜して生えるため体表面に毛流が出来る。その起始部や終始部が渦巻き状になっており、これを旋毛という。
ソラをつかう ソラを使う レース中や調教時に、ふとしたことで馬の気が散り、走りに集中を欠くこと。

タ行
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たいどうば 帯同馬 遠征馬(目標ににしているレースに関西馬なら関東に、関東馬なら関西に行く)と一緒についていく馬のこと。
だく ダク 速歩のことでコースでの攻め馬の場合キャンターに入る前に予備運動として1周くらいダクで回ることが多い。
たてめ タテ目 連勝複式の馬券の組み合わせで、軸馬(買い目の中心の馬)とでははなくヒモ馬(軸馬に対する相手の馬)同士の組み合わせのこと。例えば1−2、1−3、の組み合わせなら、2−3がタテ目になる。
ためる
力を出しきらないで抑えるという意味で使われる。追い込みの場合など「道中脚をためて・・・」などと使われる言葉で追い出すまで力を温存するということです。
ちちないこくさんば 父内国産馬 サラブレッド系の馬の父が内国産馬(日本で生まれた馬)である馬をいう。
ちゃくがい 着外 本来は本賞金の与えられる5着までを着といい、6着以下を着外ということになる。ただ、馬券の払い戻し対象となる3着までを着とする考え方が普通で4着以下を着外ということが多い。
ちゃくさ 着差 先に決勝線に到達した馬の鼻先から次の馬の鼻先までの間隔を着差という。
ちょうせいるーむ 調整ルーム 各競馬場、美浦、栗東のトレーニングセンターに設けられた騎手の宿泊所。
競馬の公正を確保するためと心身の調整を図ることを目的とし、騎手を外部との接触から引き離し開催日の前日出馬投票の1時間後に騎乗予定者の全員が入室することになっている。
各自の個室のほか減量用の浴室(サウナ)、娯楽設備などもある。
つきあげ
蹄球炎の俗称で肉球の挫傷による炎症のこと。
つつまれる
レース中に前後左右に他の馬がいて出て行くことも退くことも出来ないこと。
つなぎ 繋ぎ 蹄の上部と球節の間の部位で、獣医学上の第一指骨で構成され第二、第三骨は蹄の中にある。つなぎは馬体の重さ400〜500キロもある重量を受けてこれを和らげる重要な部位でもある。
つよめ 強目 攻め馬やレースにおける脚色を表す言葉で馬ナリより強めという意味で使われている。
つるくび ツル頚 パドックで歩いているときなどに頚をツルのように曲げている状態をいう。
一見、気合に満ち溢れいかにも走りそうな印象を与えるが馬の気性の現れで競走能力とは関係がない。
ていようえん 蹄葉炎 肢に故障を発症し動けない状態で他の肢で長時間負重し続けると蹄の内部の血液循環が阻害され蹄内部に炎症を起こし激しい疼痛を伴う病気。
てがわり 手がわり レースにおいてそれまで乗っていた騎手から他の騎手に替わることで乗り替わりともいう。
てき テキ 競馬の社会だけで使われている用語で騎手や厩務員などが自分の厩舎の調教師のことをいう言葉。
てつぽう 鉄砲 比較的長期の休養明けでレースに出ること。またそのことを「鉄砲使い」といい、そうしたレースでよく好走する馬を「鉄砲の利く馬」という。
てまえ 手前 馬が走るとき、先に出すほうの脚。レースや調教中にこれを変えることを「手前を変える」という。
でむち 出ムチ スタート直後からムチを使うことで「出ムチをくれる」という使い方をする。
テン
最初とか、真っ先の意で、「テンの半マイル」、「テンから仕掛ける」などという。「テン乗り」というのは、騎手がその馬に初めて乗ること。
てんかい 展開 レースの流れ、ペースのこと。出走各馬の脚質や道中の位置取りで様相はさまざま。例えば、逃げ馬がいなければ、スローペースで先行馬に有利な展開になると考えられるし、逆に逃げ馬が多く、お互いに競り合うハイペースになれば、差し馬や追い込み馬に有利な展開になることも考えられる。展開を読むことも勝馬を検討する上で重要なファクターのひとつ。
てんぐやま 天狗山 調教師が調教を監視する場所のこと。
でんぴん 伝貧 馬の伝染性貧血の略語。この病気ははウイルスによって起こる馬特有の法定伝染病である。
症状は40度前後の高熱が出て2〜4日後には平熱に戻るがまた高熱が出るという状態を繰り返す。感染した馬は次第に貧血し衰弱していく。
感染が判明すると法の定めにより安楽死の処置がとられる。
とうらく 頭絡 細い革で出来た馬具で馬の頭から頬、顎にわたっておりハミを吊って馬の口の中に入れ適当な位置を保たせるために使用するもので馬を扱う場合の補助の役目もする。
とくべつレース 特別レース ○○特別、○○賞、○○ステークス、などレースに名前が付けられている競走は全て特別レースで一般条件レースと異なり特別登録を必要とする競走である。
とちくりげ 栃栗毛 栗毛の中で被毛がやや黒みがかった馬でこげ茶色といった感じの毛色の馬。
たてがみ、尾などの長毛は被毛と同色かその色を帯びた白色である。
トラックマン
競馬関係紙の記者で、レースの予想・記事を書くためにトレーニング・センターや競馬場で、朝早くから調教を観察したり、調教タイムをとったり、厩舎関係者に馬の調子を取材したりする人のこと。
トータリゼーター
勝馬投票券売上高表示機のこと。現在設置されているトータリゼーターは勝馬投票発売機と電子計算機それに概算払い戻し表示機を直結したものでトータリゼーターシステムと呼んでいる。

ナ行
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ないこう 内向 馬がまっすぐ立っている状態を正肢勢といい足先が内を向いているものを内向肢勢という。
これを一般に「内向」と呼んでいる。逆に足先が外に向いているものを「外向」と言っている。
ないこくさんば 内国産馬 外国産馬でない馬、つまり日本で生まれた馬のことをいう。母馬の胎内にいて輸入された場合でも、日本で生まれれば内国産として扱われる。
ナイラ
腺疫といわれる伝染病で若馬がかかりやすく、ほとんどすべての馬がかかるといってよいくらいの病気。病原は腺疫菌という化膿菌でリンパ腺を化膿させることが特徴となっている。
ながしかい 流し買い ある1頭の馬、あるいは枠を中心に、そこから他の馬(枠)に馬券を買う方法で例えば1番の馬からなら1−2、1−3,1−4・・・という買い方をいう。
なつまけ 夏負け 馬は暑さに弱い動物でそのため気温の上がる夏に起こる一種の病気である。
症状は顔面とくに眼の周囲、鼻梁側の部分の毛がはげて、つやつやと光って汗が出なくなり少し運動をすると呼吸を弾ませるため軽い運動しか出来なくなる。
なまり 鉛板によって騎手は負担重量を調整するが、この鉛板のことを「鉛」といっている。
鉛板は普通1枚が200グラムとされている。
これを特別の胴巻き(ナマリバンド)に入れて騎手自身の胴に固定する。
なみあし 並足 常歩(じょうほ)といわれるもので普通に歩いている時の歩様。パト゜ックでぐるぐる回るときやパドックから馬場に出るときまでの緩やかな歩き方である。
にげうま 逃げ馬 スタートダッシュが良く逃げて勝負する馬。前半から速いペースで行くことが多く短距離を得意とするタイプが多い。
にそうぼけ 二走ボケ 休み明け(故障や休養などでレースを遠ざかっている馬がレースに出ること)で好走した馬が次のレースで凡走すること。気の良い馬などは緒戦から目一杯走ってしまい目に見えない疲労が残っていたりするためと思われる。
ににんびき 二人曳き パドックで馬を曳く時一人で曳いていることが多いが二人の厩務員によって曳いている馬のことをいう。気性の激しい馬や入れ込みのきつい馬など馬が暴れたりしないように左右について二人で曳く。
にのあし 二の脚 一旦、一杯になった脚勢から追われているうちにもう1度伸び脚を見せることがある。これを「二の脚を使う」という。またスタート直後ダッシュがつかない馬が追われて一気に行くことも「二の脚が速い」とか「二の脚を使って」という言葉で表せる。
ぬしとり 主取り セリ取引において出場した馬に買い手がつかなかっりまた価格が生産者(売り手)の希望に満たないとき生産者が値段をつけて引き取って行くことを言う。
のめる
重馬場や不良馬場で上っ滑りするような馬場状態において馬が滑ることをいう。
のりこむ 乗り込む 「中間順調に乗り込んで…」などと使われるように調教を十分に積むことをいう。
丹念に調教課程をこなし(急仕上げにならないように)仕上げていくことを指す場合が多く休み明けや初出走の馬の状態を判断するときに乗り込んでいるかどうかがポイントとなる。

ハ行
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はっそうじょがい 発走除外 馬場に出てきてから事故を起こしたり、ゲートにどうしても入らなかったり、また発走前に暴れて馬体(脚部)に外傷などを負い能力を十分に発揮できないと発走委員が認めたときにレースから除外されることをいう。
はつば 発馬 スタートのこと。厩舎関係者の間ではデッパともいう。
バテる
力走の末レースの終わりで力尽きていっぺんにスピードが衰える状態。
オーバーペースで逃げた馬などによく見られる現象で、最後の100mぐらいで大きく着順を下げたりする。
ハナをきる 端をきる 先頭に立って逃げること。「逃げ馬とハナをきれないとモロい」などという。
はなねじ 鼻ねじ 鼻捻棒のこと。ゲート入の悪い馬などには鼻捻棒を使い、鼻の先をねじ上げる。このことを「鼻ねじをかける」というが、鼻は馬を押さえる急所であり、たいがいの馬はこれをかけられると簡単に反抗しなくなる。
ばばじょうたい 馬場状態 一般に馬場状態は雨などで水分を含むにつれて、芝ではタイムがかかり力がいるようになり、逆にダートでは足抜きがよくなりタイムは速くなる。良、稍重、重、不良の4段階で表示され、レース検討の上でも重要といえる。
はみ 馬銜

馬の口に噛ませる棒状の金具。馬の門歯のうしろはかなり広い歯のない部分があり、その奥に臼歯(奥歯)が並んでいて、ちょうどこの歯のない部分にはみをかける。騎手は馬への指示をこぶしから手綱を通じてはみに伝えて、馬を意のままに動かすことができる。
ハロン
日本では1ハロンを200メートルに換算している(本来は1ハロン=1マイルの1/8)。レースの200メートルごとの所要タイムをハロンタイムという。「上がり3ハロン」は最後の600メートルのこと。
ハロンぼう ハロン棒 コースのらち沿いにある「2、4、6・・・」などと書かれた標識をハロン棒といい、ゴールまで残り何百メートルかを表している。例えば、ハロン棒に「2」と書かれている場合は、残り200メートルの意味となる。このハロン棒をどのくらいのタイムで通過したかによって、レースのペースを知ることができる。
びしゅっけつ 鼻出血 競走馬は競走中に鼻出血をすることがあるが、その原因は学問的にはまだはっきりしないと言われている。
馬は口で呼吸ができないため鼻出血を発症すると呼吸が十分出来なくなり競走能力を発揮できず大敗することも多い。
ひも
連対馬のことで2着にくる馬あるいは本命馬にくっついてくる馬をいう。
「ひも探し」「ひもに狙える」「ひもが狂った」など2着馬という意味で使われている。
ひらば 平場 一般競走のことで特別レース以外の条件戦をいう。同じ条件レースでも特別レースに比べて賞金も安いしメンバーも手薄ということで格下のレースと見られがちである。
ひんけいとう 牝系統 母馬の血統の総称を母系、牝系、あるいは牝系統といっている。
この牝系統を系図のようにまとめたのが「ファミリーテーブル」で牝系統別にまとめ成績、生年等を付記し根幹馬までたどったもので牝系を調べるのに大変便利な書物である。
ひんば 牝馬 メス馬のこと。
ふかしょう 付加賞 特別登録料の総額を1着から3着の馬に対し7:2:1の割合で配分した賞金。
中央競馬の特別競走は定められた登録料を徴収するつまりステークス制になっていることで発生する賞金のことである。地方競馬にはこの制度はない。
ふくれる
コーナーを回るときコーナーなりに回らず外側に飛んで行くこと。手前を替えられないことや気性の悪さなどが原因でふくれることが多いが距離損が大きくレース中の不利のひとつになる。
ふけ
牝馬が発情することをいう。神経質な馬はふけにはいると競走能力が低下するといわれているがかなり個体差はあるようだ。春先から夏にかけてがふけのシーズンで普通は3週間おきに5,6日間続く。
ふたんじゅうりょう 負担重量 競走馬がレースの時に背負って走る重量のこと。負担重量に含まれるのは、騎手自身の体重と、鞭と帽子を除いた鞍などの装具との合計重量。一般的に負担重量を着差に換算すると、1キロで約1馬身違うといわれている。
ブリンカー
レース中、他馬に気を遣ったり、何かに驚いたりして能力を発揮できない馬がいる。そういう馬に全能力をレースに向けさせるために、前方しか見えないようにつくられた革製の装具のこと。遮眼革ともいう。なお、ブリンカー装着の際は、レーシングプログラムには、「B」の表示がつく。
へいちきょうそう 平地競走 障害競走に対して普通の競走を平地競走という。障害競走も盛り上がりがなく先細りの感じで、今は平地競走の全盛といえる。また平場(ひらば)というのも同じ意味に使われることもあるがこれは特別レースに対し一般条件レースをさす場合が多い。
べっていじゅうりょう 別定重量 馬齢、性、収得賞金、勝利度数などによって算出される負担重量をいう。
現在中央競馬で行われている別定重量には次の二つがある。
(1)基礎重量を定めこれに過去の収得賞金、勝利度数、あるいは特定の競走の勝利によって加算する方法と(2)牝、牡の間だけに差をもうけるが全馬に一定の重量を負担させるものとがある。
ほうじんばしゅ 法人馬主 会社組織(会員を集めているクラブなど)の馬主のことで馬主を個人馬主と区別するときに用いられる。
ほうば 放馬 競馬場やトレセンで騎手を振り落として逸走してしまうこと。競走当日においては返し馬のとき極度に興奮した馬が起こすことが多く競走能力に影響することもある。
ほごぼう 保護帽 安全ヘルメットともいう。
ポケット
「ポケットからの発走」などと使われるように競馬場のコーナーの奥まった場所をさす。
京都の2400mの発走地点は4コーナーのポケットからだし、東京の2000mは2コーナーのポケットということになる。
またレース中に「ポケットに入って・・・」などということもあるが、これは馬込みに入って出るに出られない状況で脚を余すことにつながる。
ほそめ 細目 単に「細い」と言うことの方が多いが太目に対する逆の言葉で、見た目に馬体が細く映り腹部の線が後ろにゆくにしたがって切れ上がりすぎているような状態。馬体重が使うごとに減るようなとき「細化する」というが細目というときは数字的なものではなく見た感じ細いというもの。
仕上がりきった馬体と紙一重ということもあり見極めが肝心。
ぼば 牡馬 オス馬のこと。
ほよう 歩様 馬の歩き方のこと。調子の良い馬は歩様がスムーズで伸びやかだがどこかに故障や疾患を持つ馬、疲れがたまっている馬など歩様に乱れが出ることが多い。
ボロ
馬糞のこと。この状態により好不調の判断がある程度できる。柔らかいのは良くなく、堅すぎず、落ちた時に三つ、四つに割れるのがよい状態といわれている。
ほんしょうきん 本賞金 1着から5着までの馬主に対して競馬会から交付される本来の賞金のこと。
出走奨励金、距離割増賞、父内国産馬奨励賞、特別レースにおける付加賞などは含まないものである。

マ行
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まきばら 巻腹 「腹が巻き上がる」というのと同じで腹部の内容に乏しく、巻き上がった感じに見える腹構えをいう。使い込まれての過労が原因で巻腹になることもあり、パドックで馬体を見るときのチェックポイントでもある。
またづな 股綱 頭を上げる馬を低姿勢に導くために使用する補助具。形はいろいろあるが普通は別の革紐を手綱から取って鞍に直結し頭が上がれば突っ張るように出来ている。レースに使用するときは負担重量に加算されるものである。
みせむち 見せ鞭 気性が悪く、実際に鞭で叩くと逆に走る気をなくす馬に対して、目先で鞭をちらつかせることだけにとどめて走る気をうながすこと。
みっくい 身っ食い 馬が自分の体を噛む癖のこと。退屈、ストレスが原因である。
メンコ
馬の覆面のこと。音に敏感な馬には耳覆いのついたものを使う。最近はカラフルで多彩なデザインがある。
もたれる
レースや調教において斜行することを表す言葉。コースの内側に行こうとすることを「ささる」といい、逆に外側に行こうとすることを「ふくれる」というが、もたれるという場合は単に内、外に行くというよりは対象物(ラチや併走馬など)に寄っていく(もたれかかる)という意味合いで使われる。
もちタイム 持ちタイム 同じ距離のレースでその馬がこれまでに記録した最も速いタイムのこと。「芝1600メートルの持ちタイムは1分35秒5」などという。
もちのり 持ち乗り 厩務員の仕事をしながら担当馬の調教にも携わり攻め馬や馬場運動など調教助手の仕事を兼ねる人。「調教厩務員」ともいう。
ものみする 物見する ものを見るとというが、不意に何かの物に驚いて騒いだり、止まったり、横にとんだりする動作や癖のことをいう。レース中にハロン棒の影や芝生のはげているところをとんだりする馬もおり、これなどは物見をする良い例である。
もまれる
「道中もまれて・・・」などと使われるようにレース中馬ごみに入って思うように走れない状態を「もまれる」と言っている。気の小さい馬などはもまれると戦意をなくすことがあり、そんな馬は「もまれ弱い馬」といわれ多頭数の競馬では不利になるとされている。
もやしうま もやし馬 育成期間に過保護になっている馬のことで本質的な育成技術、鍛錬がなされてなく、見た目に立派でも中身がなく「みてくれ」だけ良い馬になってしまう。こういう馬を指して「もやし馬」という。
また、競走馬でも急仕上げで調教量の足りない馬についても格好だけは出来ていても実質が伴っていないということで「もやし馬」あるいは単に「もやし」ということもある。
モンキーのり モンキー乗り 鐙を極端に短くした前傾姿勢で馬に乗る方法。
木の枝に猿がまたがったように見えることからこう呼ばれる。

ヤ行
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ヤマキズ
馬が牧場で育成時に負った傷のこと。競走馬となってからその傷痕が残っている場合、そう呼ぶ。
ようとへんこう 用途変更 競走馬として能力的に不適当と見られたり、故障、疾病などで競走能力を失ったりした馬を、レース以外の用途、例えば誘導馬、乗馬、繁殖牝馬、あるいは地方競馬に移したりすること。さらに、種牡馬となることも含まれる。
よびうま 呼馬 サラブレッドの自由購買馬のこと。戦前、「抽選馬」にたいして使われた言葉で、現在は使われない。

ラ行
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ラチ コースの両側に設けられた柵のこと。内側の柵を内ラチ」、外側の柵を「外ラチ」という。
レーシングプログラム
競馬場で配布されるJRAの公式プログラム。当日の全レースに出走する馬の枠順や騎手はもちろん、場内の案内や思い出のレースなど読み物も楽しめる。

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